包丁の砥石セットの選び方|付属品の中身と番手の組み合わせ

包丁用の砥石セットの箱には、#1000/#3000のように番手(ばんて)が並んでいます。
この数字は研磨材の粒の細かさを示す表記で、小さいほど粗く速く削れ、大きいほど刃先が滑らかに整います。
ところが「セット」という言葉が指す中身は幅広く、1枚の表裏に別番手を貼り合わせた両面砥石から、砥石台や面直し用の石まで入った3〜4点組まであります。
点数だけを見て選ぶと、必要な番手が入っていないまま買うことになります。
本記事では、砥石セットの番手表記の読み方・構成タイプ別の中身・使っている包丁からの選び方を解説します。

キッチン小物ラボ編集部
キッチン小物ラボは、箸やカトラリー、水筒、弁当箱、鍋、包丁、お茶まわりの道具を扱う専門メディアです。扱う範囲は「コンセントを挿さないもの」に絞り、メーカーが公表している寸法・素材・食洗機やIHの対応可否を突き合わせて、サイズの選び分けと買い替えの判断材料を整理しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
包丁用の砥石セットは、枚数ではなく番手の組み合わせで決まります
番手は研磨材の粒度を示す数字で、頭に#を付けて書かれます。
国内ではJISの粒度区分がもとになっており、数が小さいほど粒が粗く、大きいほど細かくなります。
おおまかな区分としては、刃欠けを削り落とす粗砥(あらと)が#120〜#600前後、切れ味を戻す中砥(なかと)が#800〜#1500前後、刃先を整える仕上げ砥が#3000以上です。
セットとして売られている商品は、この区分のうち2つ以上を組み合わせたものを指します。
注意したいのは、点数と番手の数が一致しないことです。
「3点セット」と書かれていても、砥石2枚に砥石台1つという構成なら番手は2つしかありませんし、逆に両面砥石1枚だけでも番手は2つあるので、メーカーによってはこれをセットと呼びます。
箱の点数表記は付属品を含めた個数なので、番手がいくつ入っているかは#の記載を数えて確かめてください。
番手ごとの役割そのものを知りたい場合は、粗砥・中砥・仕上げ砥の違いと番手で解説しています。
砥石セットの構成タイプと、入っている番手の目安
市販の構成はだいたい4タイプに分かれます。どれも「研げる」という点では同じですが、修正できる刃の状態の範囲と、研ぎ面を平らに保てるかどうかが変わります。
| 構成タイプ | 番手の組み合わせ | 主な付属品 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 両面砥石1枚 | 中砥+仕上げ砥の2番手 | ゴム台やケース兼台 | 家庭の三徳・牛刀を数週間に1度研ぐ人 |
| 中砥1枚+面直し砥石 | 中砥の1番手 | 面直し用の砥石 | 切れ味の維持だけでよく、研ぎ面の平らさを保ちたい人 |
| 2枚組 | 中砥+仕上げ砥 | 砥石台 | 研ぐ本数が多く、番手ごとに石を使い分けたい人 |
| 3点以上の組 | 粗砥+中砥+仕上げ砥 | 砥石台、面直し砥石 | 刃欠けの修正まで自分で行う人 |
粗砥は毎回使うものではなく、刃が欠けたり刃先が完全に丸まったりしたときだけの出番です。普段の研ぎは中砥が中心になるため、番手が多い組ほど良いわけではありません。
使っている包丁から砥石セットを選ぶ順序
自分の条件から決める手順は、包丁の刃の形(両刃か片刃か)、材質、今の刃の状態の3つを順に当てはめるだけです。迷う余地は思ったより少なくなります。
ステンレスの三徳・牛刀を家庭で研ぐ場合
中砥と仕上げ砥が入った両面砥石1枚で足ります。
ステンレスは粘りがあって返り(刃先にめくれる金属のバリ)が出やすいため、中砥だけで止めるより仕上げ砥まで通したほうが刃先が落ち着きます。
番手と角度の具体的な当て方は、ステンレス包丁の研ぎ方で解説しています。
刃が欠けている、刃先が丸まりきっている場合
中砥から始めると削り切るまでに時間がかかるので、粗砥を含む3点以上の組を選んでください。目安として、刃先を爪に軽く当ててまったく引っかからない状態なら、中砥の前に粗砥で刃先を作り直す工程が要ります。
片刃の和包丁を使っている場合
表側だけを研ぐため研ぎ面の平らさが仕上がりを左右し、面直し砥石が付いた構成が扱いやすくなります。
仕上げ砥も#3000以上のものが入った組を選ぶと、裏押しの作業まで同じセットでまかなえます。
裏面の扱いは片刃包丁の研ぎ方で解説しています。
同じ#1000でも削れ方が違うのはなぜか
番手が同じ砥石を2つ並べても、削れる速さと手ごたえは一致しません。
理由は3つあります。
粒度の基準が国内規格と海外規格で一本化されていないこと、研磨材を固める結合材の種類で砥石の硬さが変わること、そして使う前に水に浸ける浸水型か、水をかけるだけで使える水かけ型かという使い方の違いです。
軟らかい砥石は研磨材が新しく出てくるので削るのは速い反面、減りも早くなります。
硬い砥石は長持ちする一方、刃物が滑る感触になりやすく、力加減の加減がつかみにくいこともあります。
番手の数字だけを見比べても、このあたりは商品ページに書かれていないことがあるため、硬さや浸水の要否の記載まで確認してください。
セラミック研磨材を使った砥石の硬さや番手の考え方は、包丁用セラミック砥石の選び方で解説しています。
砥石の寸法と厚みが合わないと、研ぎが安定しません
砥石セットの商品ページには、番手と並んで長さ・幅・厚みがミリ単位で書かれています。
家庭用として流通している砥石は長さ180〜210mm前後、幅50〜70mm前後のものが中心で、刃渡り18cmの牛刀でも砥石を斜めに使えば研げる寸法です。
ただし長さが短い携帯用のものだと、刃を前後に動かす幅が足りず、1回の往復で研げる範囲が狭くなります。
厚みは寿命に直結します。
砥石は使うほど中央がくぼんでいくため、面直しで削り戻せる余裕が厚みぶんだけ残っているという考え方になります。
くぼんだまま使うと刃先が砥石の形に沿ってしまい、まっすぐ当てているつもりでも刃がうまく付きません。
セットに砥石台が入っていない場合は、濡れ布巾を敷くなどして動かない状態を作ってから作業してください。
当てる角度と往復回数の目安は、包丁の研ぎ方で解説しています。
砥石セットの番手や対応表記は、パッケージのどこに書いてあるか
番手は箱の表面に大きく印刷されているほか、両面砥石なら石の側面のラベルや、面ごとの色分けで区別されています。使っているうちにラベルが剥がれると見分けが付かなくなるので、買った時点でどちらの面が中砥かを控えておくと迷いません。
寸法は商品ページの仕様欄に書かれていますが、セット商品では砥石台を含めた外寸と砥石そのものの寸法が併記されることがあり、数字が2組並んでいたら砥石本体の値を見てください。
浸水が必要かどうかと、研げる刃物の種類は取扱説明書か商品説明の注意書きに記載されています。
セラミック包丁や波刃のパン切り包丁は通常の砥石では扱えないことがあるため、対応すると明記されているかを確かめてから使ってください。
よくある質問
両面砥石1枚だけでも包丁は研げますか
中砥と仕上げ砥の両面であれば、普段の切れ味を戻す研ぎはこれだけで行えます。
足りなくなるのは刃が欠けたときで、その場合は粗砥が別に必要です。
また面直し砥石が付かない構成では、研ぎ面のくぼみを直す手段を別に用意することになります。
包丁研ぎ器と砥石セットは併用できますか
使い分けている人はいます。
引くだけの研ぎ器で日常の切れ味を保ち、戻らなくなったときに砥石で刃を付け直すという順番です。
ただし研ぎ器は刃の形や厚みに対応範囲があるので、手持ちの包丁が適合するかを先に確認してください。
タイプごとの違いは包丁研ぎ器のおすすめの選び方で解説しています。
セットに入っている粗砥は、使わないままでも問題ありませんか
問題ありません。
粗砥は刃の形を作り直すための番手なので、刃欠けがない包丁に使うと必要以上に削ることになります。
普段の研ぎは中砥から始めて、仕上げ砥で終えてください。
まとめ
砥石セットを選ぶときに見る数字は、点数ではなく#で示された番手です。
家庭でステンレスの三徳や牛刀を研ぐなら中砥と仕上げ砥の2番手で足り、粗砥が要るのは刃が欠けているときに限られます。
そのうえで長さ180mm前後の寸法と、研ぎ面を平らに保つ面直し砥石の有無を確かめると、買ってから足りないものに気づく事態を避けられます。
ぜひ本記事の構成タイプの比較表と、包丁の刃の形から決める順序を参考に、手持ちの包丁に合う砥石セットを選んでください。




